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ANSL R&D Times

3.ITU-R勧告P.1812-3導入の効果

NTTの提案手法を複数含む推定式であるITU-R勧告P.1812-3を実装することで、一部エリアの伝搬損失推定において推定精度を向上しました。VHF帯である160MHz帯における測定結果を元に検証した結果を以下に示します。(図4)

各グラフにおいて、横軸は面的に測定した際の受信局の移動距離を示しており、縦軸は送受信局間で発生している伝搬損失の値を示しています。赤い丸が測定結果、緑の四角が従来式であるITU-R勧告P.1812-1の推定結果、青い四角が最新式であるITU-R勧告P.1812-3の推定結果です。

左のグラフにおいては、従来式と最新式のどちらにおいても測定結果と近い値となっております。このように、大部分のエリアにおいては、どちらの式でも伝搬損失を高精度に推定することが可能になっています。

 一方、右のグラフにおいては、測定結果に対して従来式は大きく異なる値となっていることがわかります。これは、送受信局間に大きな地形の起伏や卓越した高い建物があるなど、回折点を3点抽出してしまうことにより伝搬損失を過大に計算してしまっているためです。

ここで、最新式であるITU-R勧告P.1812-3では、従来式の推定誤差を大きく改善しており、測定結果と近い値となっていることがわかります。従来式を用いた際に一部のエリアで発生していた誤差については、平均で約25dBの改善がされています。このように、主要な回折点を抽出する手法が適用されることで、どのような地形においても安定して高精度に伝搬損失推定が可能になっています。

 

図4 新規搭載式であるITU-R勧告P.1812-3の推定精度向上効果

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